タイ・バンコクの駐在員のデメリット
以前、駐在員のメリットについてお伝えしましたが、今回はデメリットです
こちらもよくネットで目にしますが、やっぱりちょっと違うかなといった内容もありますので、今回も私の場合をお伝えします
6つのデメリット

1.狭い日本人社会の限られた人との付き合い
2.言葉や文化の違いによるストレス
3.日本食が少ないし、値段も高い
4.治安が悪い
5.家族、友人に会えない
6.日本帰国時に浦島太郎状態で退職する人も多い
狭い日本人社会の限られた人との付き合い

タイの日本人社会は狭いです
私が独身でタイの工場に日本人独りでタイに駐在していても、日本人社会は狭いと感じますから家族がいる方はもっと大変だと思います
家族で駐在されると、同じ会社や近くの会社の日本人が、同じ、もしくはその近所のコンド(コンドミニアム)に集中します
バンコクにコンドミニアムは沢山ありますが、日本人が住むコンドミニアムは限られてくるからです
そして同じ日本人なので、よく行くスーパーマーケットや、レストラン、子供の学校や習い事もほとんど同じで、仲良くなる事も出来ますが大抵はここから監視・マウント合戦が開始されます笑
あの会社のあの日本人がいつ日本に帰国になった、あのゴルフコンペに来てた日本人をあそこで見た、あそこの奥さんのママ友達のランチはいつもあそこ、そんな会話も年中繰り広げられます
私はそういった日本人村社会とは無縁でいたいので、タイではかなり付き合いが悪い部類の人間になりましたし、今後もこれを継続していきます
言葉や文化の違いによるストレス

私はコレが断トツで一番キツかったです
日本での私の考えですが、どんな人でも言葉が通じる以上は話せば気持ちは伝わると思っていますし、人にモノをお願いする時や、例えば誰かを怒らせたとしても、伝え方や言い方に気を付けて心を込めて話せば何とかなる場合もあると思います
何をするにしても私は今まで特にコミュニュケーションを大事にしてきました
それがタイでは全く出来ないです
英語は充分勉強して来ましたが、私の会社の従業員は全く話せません
私の今のレベルのタイ語でも、仕事の細かい内容や注意点などを伝えるのは非常に苦労しますし、私が頑張って従業員に伝える事が出来たと自分の中で思っていても、蓋を開けてみれば私が予想する通りのミスをしたり、気を付けてくれ、と伝えたつもりの事を間違えたりしていると一気に疲れが何倍にもなります
文化に関しては、デリケート過ぎてタブーとも言えます
海外では絶対に肝に銘じておかなければいけない事ですが 1.政治 2.宗教 3.人種 、これらの事はなるべく話題にはしない方がいいでしょうし、生活にも密接に関わって来る事ですからそれらを尊重しなければらないです
タイの国民の95%は熱心な仏教徒です
その事についても当然理解は必要ですし、彼等には彼等の信じているものがあって、行動する理由があるのです
タイ人の習慣についても慣れて許すしかないです
仕事でもニックネームで呼び合う、時間にとにかくルーズ、ミスしても何しても決して報告・連絡・相談は無しで、絶対に謝らない・・・など挙げればキリがないです
ムキになって叱ると怒りん坊の日本人の烙印を押されてしまいますので、コチラが慣れるか、どうにか先に手を打っておくしかないです
治安が悪い

タイは完全な銃社会です
銃は街中でも日本円で3万円も出せばいいのが買えますし、所持に関しても違法な所持が当たり前で、大した罰則もないので多くのタイ人が当たり前に銃を持っています
タクシー運転手はほぼ100%車内に銃がありますし、バイクタクシーの人も必ず持っています
それに併せて、タイ人は本当にカッとなり易い性格の為、銃による犯罪が後を絶ちません
旅行者の方などは、まずそんな事態にはならないとは思いますが、もしタイでタイ人と口論になったり、喧嘩になったら早々にその場を立ち去るのが一番正解です
いくらタイ人ではなくて自分が正しくても、どっちが正しいとかどっちが正義かなんて全然関係ないです
彼等は頭にくればすぐ銃を出して撃つ、それだけです
銃以外にもよく聞くのが、バンコク市街での睡眠強盗です
現地に人と仲良くなれる、と思って気を許しているとバック・携帯・財布など根こそぎ持っていかれます
路上での寸借詐欺も多いです
「財布や旅券を無くして困っている、帰国したら返す事が出来るので貸して欲しい」などと言われ、もちろん返ってくる事はありません
「日本円を見せて欲しい」とタイ人から言われる、訳の分からない詐欺もあります
数人がかりでの役割分担と、もの凄い手業で見せたお金のいくらかは盗られています
その他、今真っ只中のデモや、もっと言えばテロに合う危険性も大きいです
バンコクでは実は爆発物によるテロも多いです
旅行者の方は、もちろんデモにも近寄らない様にして下さいね
日本はまだ、夜に女の子の独り歩き出来る地域が割とありますし、小学生の子供が1人で当たり前に学校に通学する事も出来ますが、世界ではこの様な国は殆どありません
決して、日本の常識は世界の常識ではないので特に旅行者の方は気を付けて下さい
家族、友人に会えない

この世界的なコロナ禍の中でタイムリーな話題ですが、家族や友人とは殆ど会えないのは当然です
私は3か月に一回程度日本への帰国が許されていますが、現在は半年以上日本に帰国出来ていませんし、ニュースなどを見ると近親者に不幸があっても帰国出来ない駐在員の方のニュースなどもあり、とても心が痛みました
海外にいる駐在員の方々は帰国出来ずに、歯を食いしばって頑張っています
アフターコロナの世界のニューノーマルがどんな形になるかは分かりませんが、とりあえず今はコロナの収束を心待ちにしています
日本帰国時に浦島太郎状態で退職する人も多い

海外に駐在して、エリートコースに乗り日本帰国後に出世する方が多い一方、帰任者が帰国後2年以内に退職する割合は25%以上とも言われています
新しい環境に適応出来ない
モチベーションの低下
色々原因はあると思いますが、この2点が大きな問題です
まず、駐在員は帰任して日本の新しい部署に配属され新しい環境への適応が求められます
その駐在生活の終わりと新しい部署での始まりの時間は想像以上に適応が難しく、そこで戸惑ってしまって更に自分の今後のキャリアも不透明になってしまったり、同僚や会社との連携も上手くいかずに退職するケースが多いです
そして二つ目は、駐在の時に大きかった自分の裁量が日本では低下してしまう場合があるという問題があります
裁量が低下していく中でも、自分の新しい日本でのポジション、役割の中でやりがいを見つけ出せないと、どんどんモチベーションが下がって退職に向かっていきます
この2点は似た様な問題ですが、上司や周りの理解も不可欠です
折角海外で貴重な経験をした有能な人材を失ってしまうのは企業にとって大きな損害です
是非、企業は駐在員の視点にも立ってこの問題を解決していって欲しいです
駐在員のデメリットまとめ
以上が私の考える駐在員のデメリットです
私自身が駐在員だから言う訳ではないですが、これほど大きなデメリットがあっても会社の為に家族を連れて海外に赴任するというのは人生の大きな決断です
正直私自身、私の人生で海外赴任なんてあるとは全く考えていませんでしたので、決断するのには時間かかかりました
コロナ禍によるリモートワークの普及で働き方が変わっていく中、駐在員という立場もこれからどうなるか分かりませんが、今海外で頑張っている日本人の方が少しでも幸せになって日本に帰国して欲しいです
ではまた

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